季節の変わり目や体調の波、服薬の影響などで、高齢者の方は食欲が落ちやすくなります。
介護をしている側としては「少しでも食べてほしい」「栄養が足りなくなるのが心配」
と感じる場面も多いですよね。ただ、無理に勧めるとかえって負担になることもあります。
そこで今回は、“食欲がわかないときでも口にしやすく、
作る側にも負担が少ないおかず”を5つご紹介します。
家庭介護でも訪問介護でも取り入れやすいメニューです。
✅① 茶碗蒸し(具材は少なめ・柔らかめ)
卵と出汁で作る茶碗蒸しは、嚥下しやすく消化も良い一品。
具材はかまぼこ・鶏肉・しいたけなどを細かく刻むか、入れずにシンプルに仕上げるのもOK。
冷やしても温めても食べやすいので、夏場や病み上がりにも向いています。
✅② ささみと豆腐のとろみあんかけ
たんぱく質が摂れるささみと豆腐を組み合わせ、とろみをつけることで飲み込みやすくなります。味付けは薄めのだし醤油ベースが安心。食欲がないときでも「つるん」と入るやさしいおかずです。
✅③ しらす入りおろし和え
ご飯が進まない時でも食べやすいのが大根おろし。
そこにしらすやポン酢を少し加えるだけで、たんぱく質も補えます。
口の中が乾きやすい方でも負担になりにくく、むしろさっぱりして
「一口なら」と手が伸びやすい一品です。
✅④ 野菜入り卵雑炊・おじや
固形のおかずが進まないときは、主食とおかずを兼ねた雑炊が便利です。
柔らかく煮込んだにんじん・ほうれん草・じゃがいもなどを小さく刻んで卵でとじるだけで
栄養バランスも◎。味噌仕立てやだし仕立てなど好みに合わせて作りやすいのもポイント。
✅⑤ 白身魚のやわらか煮
タラやカレイなど脂の少ない白身魚を、だしや生姜で煮ると、臭みが出にくく食べやすい仕上がりに。骨を丁寧に取っておけば、咀嚼が弱い方でも安心。
冷めても食べやすく、お茶漬け風にしても◎
食べる量より「食べやすさ」と「安心感」
高齢者の食欲不振は、一時的なものも多く、無理に食べさせようとすると逆効果になります。
大切なのは「少量でも負担なく口にできること」と「いつでも食べられる安心感」です。
今回ご紹介したメニューは、どれも作り置きやアレンジがしやすく、介護する側にも負担が少ないものばかりです。
「今日はこれなら食べられそうだな」と思える選択肢をいくつか持っておくことで、
介護する人もされる人も気持ちがラクになります。
状況や好みに合わせて、ぜひ取り入れてみてくださいね。