手浴のすすめ──こわばった手が動きやすくなる、やさしいケア

介護

「最近、手が動かしにくくて…」

訪問先の利用者さんがおっしゃいます。
冷えやこわばりで指が思うように動かせず、不安そうな表情。
食事の時にも、スプーンがうまく持てず、食べる気もしなくなるそうです。

オムツ交換の後、手浴を実施しています。
たった数分、あたたかいお湯に手を浸すだけで、表情がほっと緩み、
「気持ちいいね」
「さっきより動かしやすくなったよ」
と喜ばれます。

【なぜ“手浴”がおすすめなのか?】

● 身体面の効果

  • 血行促進 → 手のこわばりや冷えの改善

  • 筋肉の緊張をやわらげ、可動域が広がる

  • 保湿・清潔の維持にもなる

● 心理面の効果

  • やさしい温度で気分がリラックス

  • 不安やストレスの軽減

  • ふれあいを通じて会話が弾む

【手浴は“夏”にもおすすめ】

「手浴って、寒い時期だけのものでは?」と思われるかもしれません。

ですが、実は今のような夏の時期にも手浴はとても効果的です。

高齢者の方は、冷房が効いた室内で過ごすことが多く、
指先の血行が悪くなったり、手が冷えてこわばるケースも少なくありません。

特にクーラーが強く効いている施設やご自宅では、
身体が冷えていることにご本人も気づきにくいため、
手浴を取り入れることで血行がよくなり、
動かしやすさや安心感につながります。

手浴のケアをしている介護者にとっては、
温浴効果でますます汗がでますが・・・(^-^;

【手浴のやり方(簡単5ステップ)】

  1. 洗面器またはボウルに、40℃前後のお湯を入れる

  2. 洗面器のお湯に手首まで浸け、温める

  3. 石鹸を泡立てやさしく洗い、汚れを落とす。
    お湯を交換し、すすぐ。

  4. 約5〜10分でお湯から上げ、清潔なタオルでしっかり拭く

  5. 保湿クリームを塗って仕上げる(乾燥・ひび割れ対策)

【安全に行うための注意点】

  • 湯温は必ず自分の手でチェック(高齢者は熱さを感じにくい)

  • 湯冷めしないよう、終わったあとはタオルやブランケットで保温

  • 爪・皮膚に傷や炎症がないか事前に確認

  • 利用者さんの体調にあわせて、無理のない範囲で行う

【まとめ】

「大がかりなことはできないけれど、何かしてあげたい」
そんなときに、手浴はぴったりのケアです。
寒い季節はもちろん、冷房による冷えが気になる
夏の時期にも手浴はおすすめです。

短い時間でも心が通い、手の動きがよくなるなどの小さな変化が、
利用者さんの安心感や自信にもつながっていきます。

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