入浴の見守り、調理の見守りなどで、
利用者さんのお宅を訪問しています。
訪問介護における『見守り』は、ただそばにいるだけではありません。
大切な役割と、目に見えない安心、そして“できる力”を支える支援でもあるのです。
見守りとはどんなサービス?
見守りとは、ヘルパーが安全に配慮しつつ寄り添って、
「共に行うサービス」です。
特に一人暮らしの高齢者や、体調が安定しない方にとっては、
「誰かがそばにいる」ことが大きな安心につながります。
見守り中に行っていること
見守りの時間に介護士がしていることは、以下のような行動が中心です
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声かけや会話を通じた体調の観察
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食事中や服薬時の見守り(誤嚥・飲み忘れ予防)
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移動や立ち上がり時の転倒防止の支援
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表情やしぐさからの変化の把握
一見すると「そばにいるだけ」のように思えるかもしれませんが、
五感をフルに使った“観察”と“判断”が常に行われています。
見守りはADLの維持・向上にもつながる
見守り支援は、利用者のADL(=日常生活動作)の維持・向上にも役立ちます。
たとえば、
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入浴や更衣を「見守られながら自分で行う」
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配膳や食器の片付けを「声かけを受けて自分でやってみる」
このように、できることはできるだけ自分でという環境を整えることが、
本人の身体機能や意欲を保つうえで非常に大切です。
小さな“できた”の積み重ねが自信になる
誰かに見守られながら行うことで、失敗への不安を減らし、
「できた」「やれた」という自信が生まれます。
見守りは、「やってあげる介護」ではなく、
「その人らしく暮らし続ける力を支える介護」でもあるのです。
見守りが必要な理由
見守りには、以下のような重要な役割があります。
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一人暮らしや高齢者夫婦世帯の安心感の確保
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体調の変化や危険な兆候の早期発見
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家族が留守の時間帯のサポート
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転倒や誤嚥など、事故の予防
実際の現場エピソード
ある日、いつもはよく話される利用者さんが、食事中ほとんど口を開かず元気がない様子。
何気ない会話の中で「寒いからしんどい」と漏らされたので体温を測ったところ、微熱が判明。
すぐにご家族に連絡して病院へ。肺炎の初期症状だったことがわかりました。
こうした「小さな変化」に気づけるのは、日々の見守りの積み重ねがあるからこそです。
ご家族や利用者に知ってほしいこと
見守りは、
それは、「できる力を見守る」「安心を見守る」という支援です。
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自立支援の一環としての役割
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孤独をやわらげる心のケア
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大きな事故や病気の予防
訪問介護の見守りは、その人の人生の質(QOL)を支えるケアのひとつなのです。
まとめ
訪問介護の見守りは、「そばにいるだけ」に見えて、実はたくさんの役割を担っています。
安心の提供、変化への気づき、そして自立を支える大切な支援です。
「なにもしない時間」ではなく、「何かが起こらないように見守る時間」。
この見守りの価値を、もっと多くの人に知ってもらえたら嬉しいです。