子育てが終わって夫婦二人になる頃、「ペットを飼ったらいいよ」とよく人に勧められます。会話の少なくなった夫婦にとっても「会話がふえるよ」とも・・・
例えば、65歳に定年を迎えてペットを飼った場合、犬の寿命は15年くらい。
その間に病気になったり、入院してしまったりで、ペットの世話ができなくなってしまうかもしれません。
高齢者にとってペットを飼うメリット
- ペットと話をすることで、安心感やリラックス感が生まれ、笑顔が増える。
- ペットの世話をしないとという気持ちから、生活リズムが整う。
- ペットと散歩したりすることで、運動する機会が増える。
私が訪問する利用者さん宅でも、犬を飼っている方がおられます。
玄関に入る前から、家の中から「ワン、ワン」と声がします。
「ヘルパーさん来たよ!」と言っているようです。ヘルプ中は、利用者さんのお膝の上でおとなしく見守っているようです。
認知症の方にとっても、ペットは日々の話し相手です。独りでいると1日誰とも話さないこともあり、認知症が進む要因の一つです。
話したり、なでたりすることによって、脳に刺激を与え、症状の緩和にもつながると考えられています。
デメリットとは?
- 体力が落ちて、日々の世話が難しくなる。
- 足腰が弱って散歩に行けなくなる。
- 入院や、施設入所により、飼えなくなる。
利用者さんの中には、ペットが心配で施設入所を拒否する方もおられます。
最近では、ペットも一緒に入れる高齢者介護施設もあるようですが、まだまだ少ないようです。
散歩が難しい時には、散歩代行をしてくれるペットシッター等も活用できます。
一時的な預け先を確保しておくのも必要です。
訪問介護員が気をつけること
- ペットに餌をあげているか、食器に水が入っているか
- ペットの毛並み、手入れが行き届いているか
- ペットの糞、尿は始末されているか
利用者さん宅を訪問するときに、何気なくペットの様子を見るようにしています。
介護保険上、ペットの世話ができないのですが、ペットの様子を見ることで、利用者さんの生活の状況がわかることが多いからです。
水の容器が空っぽだったり、これまで毛並みを気にしていたのに手入れしてないなどの変化が起きている場合、利用者さん自身の体調に変わりがないか確認してみることが必要だと思います。