ヘルパーにとって調理は重要なスキル

介護

訪問介護で調理に入るたびに、「今日は何を作ってくれるの?」
と目を輝かせて聞いてくださる利用者さんがいます。
毎回の食事を楽しみにしてくれて、できあがった料理を「おいしいね」と
笑顔で食べてくれる姿を見ると、調理の時間が単なる家事援助ではなく、
利用者さんの生活を彩る大切な時間なのだと実感します。

私はこれまで、ヘルパーの仕事といえば「身体介護」と「生活援助」があって、
調理はその一部だと考えていました。
しかし実際に現場に入ってみると、調理は利用者さんの生活の質に直結する、
大事な支援の一つだと感じずにはいられません。


調理は利用者さんの“楽しみ”をつくる支援

高齢になると外出が減り、人付き合いも少なくなる方が多い中で、
毎日の食事は数少ない楽しみの一つです。
「誰かが自分のために作ってくれるご飯」は、それだけで心があたたまるもの。

訪問介護では一緒にメニューを考える時間も含めて、利用者さんにとっての
“今日のイベント”になります。
「昔はね…」と料理の思い出を話してくださったり、少し味見をしてもらって
「これでどうですか?」とやりとりしたり。
調理はコミュニケーションのきっかけになり、心の交流を生みます。


健康を支えるためのサポートにもなる

調理は単なる家事ではなく、健康管理にもつながります。

  • 食欲が落ちていないか
  • 調理中にしんどそうな様子はないか
  • その日の体調に合わせたメニューに変更できるか

それらに気づけるのは、利用者さんのすぐそばで調理するヘルパーだからこそ。
塩分や硬さの調整など、小さな工夫で「無理なく食べられる一食」を作れるのも、
ヘルパーの大切な役割です。


ヘルパー自身の“引き出し”が増える

料理が得意でなくても、訪問介護の調理を続けるうちに自然とレパートリーが増えます。
同じ材料でも、味つけや食感を少し変えるだけで喜んでもらえることも多いです。

また、利用者さんによって好みや食べられる量も違うため、
「その人に合わせた一皿」を作る力が身につきます。
これはまさにヘルパーの専門性の一つだと感じています。


まとめ:調理は「生活を支える」大切なケア

訪問介護での調理は、ただ料理を作るだけではありません。
利用者さんの楽しみをつくり、健康を守り、心に寄り添うケアの一部。

利用者さんが「楽しみなんよ」と言ってくださるあの一言のために、
これからも調理のスキルを磨いていきたいと思います。

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