高齢者 訪問販売に気をつけて 認知症の方は狙われる

介護

訪問介護でお伺いするKさん。
認知症があり、夫婦で生活しています。
奥さんは、ベッドで寝ていることが多く、家事はご主人であるKさんが
しています。

ある日、ケアマネさんが、玄関の牛乳箱に気が付きました。
Kさんに聞いても、返事はいまいち・・・

ヘルパーさんに確認し、牛乳の販売所に連絡。
契約を解除することに。
Kさんはご自分で買い物に行き、冷蔵庫には牛乳パックがいつも2本
入っています。

同じ時、今度は 家の屋根修理工事の高額な契約をしていたことが発覚。
一緒に住んでる奥さんがケアマネさんに連絡したそうです。

高齢者の消費者トラブル 年々増加

国民生活センターによると、全国の消費生活センター等に寄せられた60歳以上の
認知症等高齢者の相談件数は、2013年には1万人を超え、
今後もますます増加することが見込まれます。

年度ごとの相談件数の推移を年代別にみると、80歳以上が急増。

相談の内訳は、家族やヘルパーなど認知症等高齢者本人以外からが8割を占めるそうです。
そのうち15%は家族などの個人からではなく、ホームヘルパーや地域包括支援センターなど
団体等からの相談です。

相談事例

1.健康食品

電話勧誘による健康食品の契約トラブル。家族が居宅から大量の健康食品と
契約書などを見つけたというケース。

2.ふとん

訪問販売による契約のトラブル。家族が実家に帰った際、大量の羽毛布団等が
部屋に置かれているのを発見したケース。

3.新聞

訪問販売による契約のトラブル。 家族が複数社から配達された新聞を見つけたケース。

4.住宅の工事

訪問販売による契約のトラブル。 家族が実家に帰った際、複数の業者に自宅の屋根工事や
庭工事などの契約をさせられ、約600万円を払っていたケース。

5.通信回線契約

光回線などの契約トラブル。 ヘルパーからの連絡で、インターネットを利用していない
お宅に申込みの通知が届いたことで発覚したケース。

認知症等高齢者は狙われる

認知症のは、業者からの契約締結の場面で必要な判断能力が不十分なことが多いため、
被害にあいやすく、本人も被害にあっていることを認識ができないことが多い。
また、契約した事を覚えていないこともあります。

そのため、周囲にも気づかれにくいです。
特に一人暮らしの高齢者がトラブルに巻き込まれやすいです。
家族と同居している場合でも、日中は一人で留守番をしている際に、被害にあうことも
あります。

トラブルや被害を防ぐには

家族や周りの人の協力が不可欠です。
日頃から高齢者本人の居室の様子、言動や態度などの変化に気をつけることが大事です。

離れて暮らす家族にとっては、日々の声掛けから、変化に気付くこともあります。
定期的に連絡を取り、困ったことがないか確認することが必要でしょう。

また度々訪問するヘルパーさんは、心強い存在だと思います。
日々の状況や、変化など情報を共有することが大事です。

被害にあった場合は

訪問販売や電話勧誘販売等での取引直後であれば、クーリングオフによる
契約解除があります。
契約書面を受領した日から法律で定める一定の期間に限って、
無条件で契約の解除ができます。

また、民法では、錯誤や詐欺、脅迫に基づいた契約を無効化できます。
認知症の方が行った契約が詐欺かもという場合では、キャンセルが可能です。

まずは、本人に契約した自覚があるか意思確認することが必要です。
意思能力のない人が行った法律行為は無効とされるため、その契約は法律上
「なかったもの」として扱われます。

また、その契約の成立が有効であったとしても、成年後見制度の利用で、
成年後見人となっている家族が、契約を取り消すことができます。

タイトルとURLをコピーしました