「できるだけ自宅で過ごしてほしい」と、訪問介護を続けてきた親のこと。
でも最近、「そろそろ限界かも…」と感じていませんか?
転倒、夜間対応の不安、急な体調変化…。在宅介護の限界を感じ、
施設入所を考える時期は、どのご家庭にもいつか訪れます。
そんなとき、最初にやるべきことが「施設の見学」です。
パンフレットやホームページではわからない「実際の空気」を感じ取れる貴重なチャンス。
この記事では、ご家族が見学の際に確認しておきたい、
4つの大切なポイントをお伝えします。
1. スタッフの対応と雰囲気を観察しよう
施設の良し悪しは、スタッフの接し方に表れます。
以下のような点を意識して見てみてください。
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挨拶があるか、言葉づかいは丁寧か
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入居者への声かけや介助の様子に温かみがあるか
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忙しさに追われて、ピリピリした空気になっていないか
親御さんがこの場所で過ごすことを想像しながら、スタッフの様子を感じ取ってみましょう。
2. 入居者の表情や過ごし方をチェック
見学中にすれ違う入居者の様子も、施設選びの大事なヒントになります。
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穏やかな表情で過ごしているか
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自然な笑顔や、他の入居者・スタッフとの交流があるか
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廊下や共有スペースに活気があるか
逆に、沈んだ空気や無表情な入居者が多いと感じたら、日々の暮らしの充実度が不足しているかもしれません。
3. 清潔さと安全対策を確認しよう
親の安心・安全な生活を支えるのは、環境整備の行き届いた施設かどうかです。
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トイレや浴室、共有スペースが清潔に保たれているか
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異臭(排泄臭・カビ臭など)がないか
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段差や手すりなど、安全への配慮がされているか
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個室や寝具が清潔に整っているか
細部の清掃や設備の状態に気を配っている施設は、信頼性が高い傾向があります。
4. 食事やレクリエーションの内容を聞いてみよう
「ただ生きる」のではなく、「心地よく暮らす」ためには、楽しみが必要です。
食事やレクリエーションはQOL(生活の質)を左右します。
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食事は手作りか?メニューに季節感があるか?
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入居者が楽しめる趣味活動や行事があるか?
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食堂の雰囲気は明るく、落ち着ける空間か?
可能であれば、献立例を見せてもらったり、入居者の1日のスケジュールを確認してみてください。
おわりに
親のために、そして介護する自分自身のためにも、「納得のいく施設」を選ぶことはとても大切です。
「ここでなら安心して暮らせそう」
そう思える場所に出会えたとき、不安や罪悪感は少しずつ和らいでいきます。
施設見学では、「建物」だけでなく「人」と「空気感」をしっかり見て、後悔のない選択につなげてください。