実務者研修 その人らしさを支える支援って?

介護

実務者研修スクーリング2日目。

介護過程とICF学びました。
まずは、介護の基本として・・・
高齢者の生活支援を考えていく際に、障害や病気だけでなく、
「その人らしさ」をいかに尊重していくかという視点が必要とされるということです。

その人らしさとは?

講義の中で、「自分らしさ」とは何ですか?
と突然聞かれ、すぐには答えられませんでした。

「その人らしさ」というのは、その人が持つ独自の個性や特徴、価値観、行動パターン、思考の仕方など、その人を他の人と区別する要素の総和だと思います。具体的には、その人が大切にしている信念や趣味、経験、感情、そして人との関わり方などが「その人らしさ」を形成しています。

「その人らしさ」は、その人が人生を通じて培ってきたものや、外部からの影響、内面的な成長、そして自身の選択や決断によって形作られます。また、その人らしさは固定されたものではなく、時間とともに変化し、進化することもあります。

その人らしさを尊重することは、その人の個性や価値観を理解し、受け入れることにつながり、豊かな人間関係を築く基盤にもなります。

なぜ「その人らしさ」の支援が必要?

人間は精神的な生き物でもあるので、人生経験を積み重ねることで獲得した
「自分らしさ」を喪失することは、耐え難い苦痛を感じるものです。

日常生活においても、利用者にとって、それまでに過ごしてきた
その人らしい生活の継続こそがより望ましい姿だといえます。

要介護状態になったからといって、それまでの自分の価値観や趣味、
好みを簡単に変更することはできません。

目には見えないけれどその人の精神を形作り、その生活の支えとなっている心を
大切していくことが必要です。

介護過程とICF

介護過程という言葉は、13年前にヘルパー2級を受講したときにはなかったそうです。

介護過程とは、利用者が希望する生活の実現に向けて、意図的な介護を展開するための
プロセスのことです。
言い換えれば、介護を進めていく上での手順や経過のことです。

1.アセスメント⇒2.計画の立案⇒3.実施⇒4.評価の4段階で構成されます。
1.アセスメント
利用者のニーズに基づき、情報を収集し、解決すべき課題を導きだすことです。
情報の収集にあたっては、利用者の全体像を把握するために、ICFにもとづく
視点が重要になってきます。

ICFとは・・・国際生活機能分類のことで、2001年WHOが提唱しています。

生きることの全体像を理解するための分類法だといえます。
生活機能を3つのレベルに分け、
①心身機能・構造
②活動
③参加

この3レベルは、単独に存在するのでなく、お互い影響を与えあい、
また、『健康状態』『環境因子』『個人因子』からも影響を受けます。

 

2.介護計画の立案

①課題・・・解決しなければならない困りごと
②目標・・・利用者が望む状態
③援助方法・・・誰が見ても同じ介助ができること

①→②→③の順番で検討していくことが重要です。

 

3.実施

①安全性・・・利用者の安全だけでなく、介護職自身にとっても
②快適さ・・・利用者の価値観・生活習慣
③自立・・・利用者の主体的な意思

①~③に配慮した介護技術の実施が大切です。
そして、援助の経過を記録に残します。
介護職が実施した援助や、その時の利用者の反応や言動、観察した内容や、
判断の根拠については、形に残らないものであり、時間の経過とともに、
不確かなものになってしまう。

 

4.評価

①目標が達成されたか
②援助内容・方法が適切であったか
③介護計画を修正する必要があるかの判断

以上の4つは、一方通行の直線的なものではなく、終結に至るまでの間は、
何度でも循環していくことが特徴です。
このプロセスの繰り返しによって、利用者の望む生活の実現を援助することを
介護過程といいます。

介護過程に沿った介護実践は、利用者の心身の状況や、利用者を取り巻く環境面にも
目を向け、一人ひとりの介護職が個人的に持ち合わせている知識や経験、コツなどを
活用し、具体的な根拠をもって支援していくことが求められます。

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