「今日はやめておきます」
コルセットを外して入れるはずなのに、利用者さんは首を振るばかりでした。
お風呂を嫌がる利用者Yさん
腰を骨折し、コルセットを着用しているYさん
医師から“入浴OK”の許可が出ているにも関わらず、首を横に振ります。
説得しようと声掛けをしてもますます機嫌が悪くなるばかり。
結局は入らない日が続いています。
本人の立場での原因とは
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「滑ったらどうしよう」という転倒への恐怖
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コルセットを外す=“弱さ”を見せるようで嫌だったのかもしれません。
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プライドや羞恥心(「世話になるのが恥ずかしい」)
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「できることは自分でやりたい」という長年の価値観・誇りから
「介護される」ことに対する強い抵抗感があるのかもしれません。
介護者としての工夫
- 「今日はお風呂どうしましょうか?」と一度だけ声をかけ、無理にすすめず、
本人のペースを尊重する。 -
不安を否定せず「今日はやめてもいいですよ」「またいつでも準備しますね」
と伝えるだけにする -
信頼関係を築きながら「見守っていますよ」の姿勢といつでも準備しています
という環境づくり - 強く反応されても気にせず、一定の距離感を保ちながら見守る
まとめ
”できる”と“やりたい”の間には、気持ちの壁があります。
安全・安心はもちろん、“心の準備”にも寄り添う介護が、必要なのかもしれません。
「お風呂に入ることは、体を清潔にするだけでなく、心を軽くする時間でもあります。
入りたくない日があってもいい。
でも、その先にある“気持ちいい”を一緒に思い出せたら、きっと笑顔になれる。
それを信じて、声かけていきたいです。