介護の現場で気づいた「片付けは老後にやると遅すぎる」という真実

介護

私は介護ヘルパーとして高齢者のお宅を訪問していますが、
現場で強く感じることがあります。
それは 「片付けは老後にやるもの」ではなく、
「老後になる前に済ませておくべきこと」 だということです。


片付けたい気持ちはあるのに、体がついてこない

訪問するご利用者さまの中には、家の中にモノがあふれて
歩くスペースがほとんどない方もいらっしゃいます。

床には衣類や日用品が積み重なり、同じ商品のストックがいくつも見つかることもあります。
「本当は片付けたいのだけれど、どこから手をつけたらいいのかわからない」
「腰が痛くてしゃがめないから、落ちているものも拾えない」

――そうお話しされる方が多いのです。

「片付けられない」のではなく、「片付けたいのに動けない」。

この現実を目の当たりにするたびに、私は「片付けは体力のあるうちに
やっておかなくては」と痛感します。


私自身も50代の今、片付けを始めました

現場を見続けているうちに、「明日は我が身かもしれない」と思うようになり、
私自身も家の見直しに取り組み始めました。

最初に手をつけたのは 「服」 です。

  • 着ないと分かっている服は、近所のスーパーにあるリサイクルボックスへ
  • 子どもの服は、状態の良いものだけメルカリに出品

リサイクルボックスに入れるときは少し寂しさもありますが、
「誰かの役に立つかもしれない」と思えると気持ちが軽くなります。
メルカリで売れると「また誰かに着てもらえるんだ」と嬉しくなり、
片付けが楽しく感じられるようになりました。


趣味の手芸材料にも着手

私は手芸が趣味なので、家には布や糸、レース、ボタンなどの材料がたくさんあります。

「いつか使うかもしれない」と取っておいたものが、気づけば何年も眠ったまま…。
そこで、服の整理に続き 手芸材料の見直し にも取り組んでいます。

  • 今すぐ作りたい物の材料は残す
  • 「かわいいけれど使わない」と感じたものは思い切って手放す
  • 新品や状態の良いものはメルカリで販売

手芸材料は意外と需要があり、布のはぎれセットやレースのまとめ売りなどは比較的すぐに売れる傾向があります。
「誰かの作品になる」と思えることで、手放すことが前向きな行動に変わりました。


片付けは「未来の自分を助ける行為」

私は今、片付けを「老後の準備」ではなく “今の自分を楽にする作業” と捉えています。

床に余白があると掃除がしやすくなり、探し物も減りました。
気持ちの中にも余裕が生まれ、何より「自分の家を自分でコントロールできている」という安心感があります。


おわりに

私もまだ片付けの途中ですが、一緒に“軽やかな家”を目指しましょう。
モノを手放すことは寂しさではなく、次の暮らしに進む準備だと感じています。
50代の今だからこそ、自分の力で暮らしを整えられる
――そう思って、今日も少しずつ手を動かしています。