訪問で伺っているOさん。
認知症があり、股関節手術をされており、左膝に痛みがあります。
週に3回リハビリをされ、週に1回ヘルパーが訪問しています。
最近、長年自宅で介護したご主人を亡くされ、今は一人暮らし。
お孫さんも近くに住まれていて、再々顔を見せてくれる様子です。
独りで寂しかろうとデイを勧めてみたりしますが、一人がいいとおっしゃいます。
ご主人の話もされますが、中々介護は大変だったらしく、
自分のことより、ご主人の介護に力を注がれていたのだろうと思います。
小柄な体格なので、さぞかし苦労されたのではと、話を聞いています。
それがなかなか話が途切れることがありません。
ひたすら話し続け、30分。
一瞬、息を吸ったタイミングで「そろそろ、お掃除をしましょうかね。」
と声をかけると、「掃除?かまんかまん。」と次の話題へいこうとします。
いやいや、掃除しにきたんだからという言葉を飲み込み、どうにか掃除機を
取りに行きます。そうすると、渋々掃除の準備を始めます。
話が止まらなくなる原因
- 記憶障害
認知症の方は短期記憶が低下しているため、話している内容を忘れてしまい、同じ話を繰り返すことがあります。また、他の話題に切り替えることが難しいこともあります。 - 混乱や不安
環境の変化や周囲の状況に対する混乱、不安を感じている場合、頭の中が整理できず、話し続けることで安心感を得ようとすることがあります。 - 感情の表現
認知症の方は言葉で感情をうまく表現できなくなることがあり、話を続けることで不安やストレス、孤独感などを解消しようとすることがあります。 - 注意の転換が難しい
認知症の進行により、複数の事柄を同時に処理する能力が低下し、話題を転換するのが難しくなることがあります。そのため、同じ話題に固執してしまうことがあります。 - 社会的なつながりの欲求
孤独感や疎外感を感じる場合、人とのつながりを求めて、話し続けることで相手との関係を保とうとすることがあります。
これらの原因に対して、介護者は患者に寄り添い、安心感を与えつつ、無理なく話題を転換させたり、傾聴することで気持ちを落ち着かせる手助けをすることが大切です。