「認知症になっても残る“人を感じる力”」介護職のためのおすすめの一冊

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介護

認知症の方は周囲をよく見ている

認知症の方と接していると、「意外とよく見ているな」と感じることがあります。

訪問しているOさんはお話が大好きです。

お宅に伺うと、まずは世間話から始まります。

本来は掃除や片付け、物の整理などの環境整備を行う予定なのですが、話が弾むとあっという間に時間が過ぎてしまいます。

私は心の中で、

「そろそろ掃除を始めないと終わらないな」

「時間内に終わるだろうか」

と焦り始めます。

そんな時、Oさんがふと、

「もう時間やない?」

と言ってくださるのです。

時計を見ているわけではありません。

それでも私が時間を気にし始めたことを察知しているように感じます。

認知症になると記憶力は低下します。

しかし、人の表情や声の調子、ちょっとした仕草から気持ちを読み取る力は残っていることがあります。


「分からないだろう」は思い込みかもしれない

以前、施設を退職する日に認知症のAさんへ挨拶をしたことがありました。

「ありがとうございました」

と伝えると、Aさんは私の顔を見て、

「明日も来るんやろ?」

と聞かれたのです。

退職することは伝えていませんでした。

それでも、いつもと違う雰囲気を感じ取っていたのでしょう。

私はその時、

「認知症の方は、私たちが思う以上に周囲を見ている」

と感じました。


だからこそ大切にしたい関わり方

認知症の方は、言葉の内容を忘れてしまうことがあるかもしれません。

それでも、

  • 優しく接してもらったこと
  • 急かされたこと
  • 不安な空気
  • 安心できる雰囲気

こうした感情は伝わります。

だからこそ私は、介護の技術だけでなく、表情や声のかけ方も大切にしたいと思っています。

認知症の方は何も分からなくなるわけではありません。

むしろ、人の気持ちや場の空気を敏感に感じ取っていることがあるのです。

おすすめの一冊

認知症の方への対応を解説した【介護職のための言葉のかけ方・話の聞き方】
がおすすめです。

「食事」「服薬」「排泄」「入浴」「着替え」「買い物」「送迎」「外出」の8つの場面を事例ごとに説明されていて、とても参考になります。

また、認知症の方とのコミュニケーションのとりかた、クレームにつながった会話を振り返りながら、改善の方法など介護者の悩みどころにフィットする内容になっています。

私が介護の現場で実感しているのは、

“正しい介護技術より、まずは信頼関係”

その土台になるコミュニケーションを学べる本だと思います。

別冊として会話のネタに使える年代ごとの流行歌や各地域の名所、
ゆかりの人がわかるふるさと自慢などへぇーっと思える内容がたくさんです。

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