今まで介護職として働いて12年。いろんな利用者さんに出会ってきました。
私の好きな言葉に『一期一会』という言葉があります。
一生に一度限りの機会という意味ですが、何度も会う機会がある人に対しても、常に「これが最後かもしれない」と考え、その時を大切にすべきという教えです。
利用者さんがふともらした一言が、ずっと心に残っていて時々思い出したり、あの時こうしたかったんだろうなと考えることがあります。
「あー 長く生きすぎたなー・・・」
90代の利用者さん、一人暮らしでカラオケ好き。
お話し好きで、にこやかなおばあちゃん。
庭いじりも好きで、足腰も弱ってはきたが、つかまってゆっくり歩く。
庭の石の上でしゃがみこんでると、後ろにひっくり返りそうでヒヤヒヤするが、
ちゃんとつかまって立ち上がれる。
縁側で座って話してると、一言つぶやいた。
最近子供たちの勧めで施設に見学に行ってるらしい。
デイサービスや老人ホームなど見学してみるものの、やっぱり決めかねている様子。
本当は家でもう少し暮らしたいんだろうなと思う。
でも子供に心配かけるから、独りも淋しいし・・・
ご近所の方も心配して、時々顔を見せてくれるらしい。
「ありがたいね。」というとにっこり笑われる。
このまま、訪問介護でヘルパーに来てもらって、掃除、料理をしてもらってもいいのでは・・・
と思うけど、家族にとっては、やっぱり心配なのですね。
しばらくして、施設の入所が決まったようだ。
ヘルプ最後の日、施設に行ってもお元気でと挨拶したら、
「また、お世話になるかも。」
って笑ってらした。