利用者さんの一言①

ふと思うこと

今まで介護職として働いて12年。いろんな利用者さんに出会ってきました。

私の好きな言葉に『一期一会』という言葉があります。
一生に一度限りの機会という意味ですが、何度も会う機会がある人に対しても、常に「これが最後かもしれない」と考え、その時を大切にすべきという教えです。

利用者さんがふともらした一言が、ずっと心に残っていて時々思い出したり、あの時こうしたかったんだろうなと考えることがあります。

「あー 長く生きすぎたなー・・・」

90代の利用者さん、一人暮らしでカラオケ好き。
お話し好きで、にこやかなおばあちゃん。

庭いじりも好きで、足腰も弱ってはきたが、つかまってゆっくり歩く。
庭の石の上でしゃがみこんでると、後ろにひっくり返りそうでヒヤヒヤするが、
ちゃんとつかまって立ち上がれる。

縁側で座って話してると、一言つぶやいた。

最近子供たちの勧めで施設に見学に行ってるらしい。
デイサービスや老人ホームなど見学してみるものの、やっぱり決めかねている様子。

本当は家でもう少し暮らしたいんだろうなと思う。
でも子供に心配かけるから、独りも淋しいし・・・

ご近所の方も心配して、時々顔を見せてくれるらしい。
「ありがたいね。」というとにっこり笑われる。

このまま、訪問介護でヘルパーに来てもらって、掃除、料理をしてもらってもいいのでは・・・
と思うけど、家族にとっては、やっぱり心配なのですね。

しばらくして、施設の入所が決まったようだ。

ヘルプ最後の日、施設に行ってもお元気でと挨拶したら、

「また、お世話になるかも。」

って笑ってらした。

 

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