以前勤めていた施設では、夫婦2人で1つの部屋に入居する方がおられました。
2人一緒に入居することには、メリットとデメリットがあり、よく検討することが大事です。
夫婦入居のメリット
- 2人1部屋は、1人2部屋より費用的に安く済む。
- 2人一緒だと安心する。
- 部屋で話し相手がいるので、孤独を感じない。
特に入居して最初のうちは、不安が多いものです。
また、長年連れ添った夫婦の空気感でそのまま施設でも
暮らしていくことができます。
一人での孤独感がないので、お互い協力して、励ましあって
生活できるところがいいところだと思います。
以前勤めていた施設のKさん夫婦も仲のいい夫婦で、いつも一緒に
おられました。奥様が車椅子だったのですが、ご主人が車椅子を押して
よく施設を散歩しておられました。
時々部屋に伺うと、喧嘩していたことも…。
つかみ合いの喧嘩をしていた時には、慌てて止めましたが。
部屋に入ると、プライベート空間なので、職員は気を使います(笑)
夫婦入居のデメリット
- どちらかが介護度が上がると、軽いほうの負担が増える。
- いつも一緒なので、一人になりたい時に慣れないため、
ストレスになる。 - どちらかが入院したり、亡くなったりした場合、2人部屋の家賃を払うことになり、
経済的負担が大きくなる。
以前勤めていた施設のMさん夫婦は、奥さんがご主人さんのお世話を焼く
仲良し夫婦でしたが、ご主人が先に亡くなられ、広い部屋に一人になりました。
その施設の一人部屋が空きが無かったのと、住み慣れた施設を離れたくないという理由で、
2人部屋に住み続けることにしました。
奥さんのことを心配して、家族さんも顔を見せることが多くなり、また職員も孤独にならないよう、声掛けして、デイに誘ったり、イベントに誘ってみたりしました。
今でもマイペースに暮らしていらっしゃるそうです。
夫婦別々でくらすことも
またある夫婦は、認知症の奥さんは施設で、ご主人は自宅で別々に暮らしていました。
ご主人は、よく施設に通い、奥さんの好きな甘いものをよく持ってこられ、一緒に食べていました。
奥さんは認知症のため、時々ご主人さんがわからないこともありましたが、
ご主人さんはにこやかに
対応され、いつも笑顔の和やかな夫婦でした。
夫婦といっても、もともとは1人と1人。
ほどよい距離を保ちながら、互いに必要以上に干渉することなく、
尊重することでいい夫婦関係を
築けるのかもしれません。