孤独は寿命を縮める大きな要因であり、社会的孤立は死亡リスクを高め、心血管疾患や
がん、うつ病のリスクを増加させます。
私が訪問している男性の利用者さんは、一日中テレビをぼっーとみている方がいます。
気晴らしにデイでも行ってみませんか?とお勧めはするのですが、
頑なに拒否されます。
ヘルパー訪問の時には、ボツボツと時々お話してくれるのですが、「もう、えーんよ。」
というのが口癖になっています。
高齢男性はなぜ孤独になりやすいのか
定年を迎え、仕事を離れると、男性は一気に人とのつながりが減ってしまうことがあります。
女性は友人や地域活動を通じて関係を広げやすい傾向がありますが、
男性は「仕事仲間=交友関係」となっていることが多く、退職後は孤立しやすいのです。
また、「弱みを見せたくない」「人に頼るのは恥ずかしい」といった気持ちから、
助けを求めにくいのも特徴です。
孤独がもたらす心身への影響
孤独や閉じこもりは、心身にさまざまな悪影響を及ぼします。
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食生活が乱れやすい
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運動不足から体力や筋力が低下
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認知症やうつ病のリスクが高まる
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体調不良に気づかれにくい
家族や周囲が早めに気づき、孤立を防ぐことが大切です。
孤独を和らげる工夫 ― ある利用者さんのケース
私が訪問している利用者さんの中に、時々気分転換にパチンコへ出かける男性がいます。
膝が悪いため歩くのは難しいのですが、シニアカーを使うことで外出ができています。
その方はパチンコだけでなく、デイサービスやショートステイも活用して、
人との交流を楽しんでいます。
「家でひとりより、人と話すと元気になる」とよく話されます。
このように、趣味や介護サービスを通じて外出や人と関わることは、
孤独を和らげる大切なきっかけになります。
家族ができること
孤独を防ぐために、家族ができる小さなサポートがあります。
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声かけを増やす:「今日はどうだった?」と一言会話する
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外出のきっかけを一緒に作る:買い物や散歩に誘う
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趣味を応援する:囲碁、将棋、畑仕事、DIYなど「好きなこと」を続けられるよう支える
本人ができること
孤独を感じるとき、自分自身でもできることがあります。
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まずは挨拶から始める
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興味のある活動に少しずつ参加してみる
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デイサービスや地域の集まりを利用してみる
- オンラインで同じ趣味を持つ人と交流する
まとめ
高齢男性の孤独は、決して珍しいことではありません。
むしろ、社会全体で増えている課題です。
外出や人との交流は、心を豊かにし、健康の維持にもつながります。
家族の小さなサポートや地域とのつながりが、孤独を防ぐ大きな力になるのです。