「風が通るから大丈夫」
週に2回、生活支援で訪問しているOさん。
この季節になると、訪問するたびに気になることがあります。
それは、エアコンをつけずに過ごされていることです。
部屋に入ると熱気がこもり、私は汗が噴き出してきます。
「Oさん、今日はエアコンをつけた方がいいですね。」
そうお伝えすると、いつも笑顔でこう返されます。
「風が通るけん、大丈夫よ。」
窓からは確かに風が入っています。
でも、その風は涼しい風ではなく、夏の熱風です。
お話をしていると、Oさんのお顔は赤くなっていることもあります。
「暑くないですか?」と聞いても、「大丈夫。」とおっしゃいます。
高齢になると、暑さを感じにくくなったり、体温調節が難しくなったりするため、自分では平気だと思っていても、体には大きな負担がかかっていることがあります。
Oさんは、ご家族に生活費を預け、お小遣いの範囲で生活されています。
だからこそ、「電気代を節約したい」という思いが人一倍強いのでしょう。
その気持ちは、とてもよく分かります。
だから私は、「危ないからつけてください」と強く言うのではなく、
「少しだけでもつけてみませんか。」
「体調を崩して病院に行く方が、もっと大変ですよ。」
そんなふうに、少しずつお話しするようにしています。
エアコンは、決してぜいたく品ではありません。
今の日本の夏では、命を守るために必要なものです。
もし離れて暮らすご家族がこの記事を読まれていたら、
ぜひ一度、お父さんやお母さんに聞いてみてください。
「ちゃんとエアコン使ってる?」
その一言が、大切な命を守るきっかけになるかもしれません。
加齢により、暑さを感じにくくなっている
週に2回、服薬確認に伺っている認知症のWさん。
玄関を開けた瞬間、外よりも暑い空気が部屋にこもっていて、思わず驚くことがあります。
「今日は暑いですね。エアコンをつけましょうか?」
そう声をかけても、
「そう? 私は暑くないから大丈夫。」
「風が嫌いなんよ。」
「電気代がもったいない。」
そんな返事が返ってくることも少なくありません。
でも、高齢になると若い頃とは体の変化があります。
汗をかきにくくなったり、喉の渇きを感じにくくなったり、
暑さそのものを感じにくくなったりします。
つまり、「暑くない」と感じていても、体の中では熱がこもり、
熱中症が進んでいることがあるのです。
実際、熱中症は屋外だけではありません。
救急搬送される方の中には、自宅で過ごしていて熱中症になる高齢者も多くいます。
部屋に温度計をつけて、28度を超えると無条件に
つけるよう意識づけが必要かもしれません。
また、離れて暮らす親のために遠隔で操作できるスマートリモコンも
検討してみてもいいでしょう。
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