認知症の初期症状とどう向き合うか 〜遠くに住む家族としてできること〜

介護

身近な人が「ちょっとおかしいことを言い出した」と感じたとき、
それが一時的なものなのか、認知症のはじまりなのか…
判断に迷うことがあると思います。
今回は、私の叔母(93歳)との実体験を通して、
認知症の初期症状とその対応についてまとめます。

◆ 実際に起きた変化(私の体験より)

前に連絡したのは、半年前。その時は何の違和感もなく、普通に話したのを
覚えています。今回の電話で叔母が話したことは…

  • 「誰かが家に入ってきてる気がする」

  • 「貴重品の場所が勝手に変わる」

  • 「誰かに見張られている気がする」

と電話の声がとても不安そうで落ち着かない感じがしました。

最初は「年のせいかな」と思っていましたが、お風呂から出られず
緊急搬送されたこと
もあり、
身の危険を感じて様子を見に行くことにしました。

  現在の状況まとめ

  • 叔母様は介護度1

  • 週3回のヘルパー支援あり

  • 離れて暮らしていて、普段はなかなか会えない

  • 最近「誰かが入ってきてる」「貴重品の場所が変わる」「見張られている」などの言動あり

  • 電話で不安そうな様子

◆ 認知症の初期に見られる主な症状

  • もの忘れ(特に新しいこと)

  • 同じ話を何度も繰り返す

  • 時間や場所の感覚が曖昧になる

  • 被害的な発言(盗られた・見張られている等)

  • 感情の起伏が激しくなる

◆ 今回訪問する際のポイント

訪問は大きなチャンスです。電話ではわからないことを知ることができます。
以下のことを意識すると、今後の支援につなげやすくなります。

 様子の観察

  • 表情や受け答え、生活環境をよく見る(冷蔵庫の中、薬の管理、部屋の様子など)

  • 何気ない会話で「最近の出来事」「近所付き合い」「食事・睡眠」なども聞いてみる

 妄想のきっかけになりそうなものはないか

  • 貴重品が分かりにくい場所にしまわれていないか

  • 出入り口に防犯対策がされているか

  • 家にカレンダーや時計、日常の目印が足りないと混乱しやすくなることも

 ヘルパーさんとの連携を考える

  • 担当の事業所が分かれば、「最近こういう言動があって心配」と伝える

  • ヘルパーさんからも日々の様子や変化が分かるかもしれません

 地域包括支援センターに相談(訪問後でもOK)

  • 介護度1でも認知症の進行が見られる場合、介護サービスの再検討や
    認知症専門医の紹介を受けられる可能性があります

  • 親族が遠方にいることも伝えると、支援体制を整える方向で動いてくれることがあります

 

◆ 離れて暮らす家族ができること

  1. 真っ向から否定しない
     ✕「そんなわけないでしょ!」
     ○「それは怖かったね」「ちょっと心配だね。一緒に見てみようか」

  2. 安心感を与える
     →「私がちゃんと見てるよ」「もう鍵も閉まってるし、大丈夫だよ」

  3. 記録をつける(メモや写真)
     → いつ、どんな妄想を言ったか、体調や周囲の状況と一緒に記録しておくと、
    受診の際に非常に有用です。

  4. かかりつけ医や地域包括支援センターに相談する
     → こうした症状が出始めた時点で、できるだけ早く相談し、
    必要なら専門医(もの忘れ外来など)に繋げてもらいましょう。

 安心してもらうための言葉かけの例

  • 「たまたま近くに来る用事があって寄ったよ」
     →「心配で来た」と言うと不安をあおることがあるため、
    自然な理由での訪問にすると穏やかです。

  • 「何かあったら私がちゃんと知っておきたいし、気になってるから話してね」

  • 「最近いろんな人が訪ねてくるような気がして心配だったんだよね。
    じゃあ一緒に確認してみようか」

 

 最後に

「ちょっと変だな」と思ったときが、支援の第一歩を踏み出すチャンスだと実感しました。
介護は急に始まることが多いですが、“気づけたこと”は大きな前進です。
同じように悩んでいる方に、少しでも参考になればうれしいです。

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