認知症の利用者Mさんは、姉御肌タイプのはっきりした性格です。
ご主人は数年前に亡くなり、現在は息子さんと同居しています。
以前に転倒し、膝を痛め、歩くときは、前かがみになり杖をついていらっしゃいます。
支援は、掃除と買い物代行、ゴミ出しなど、生活援助メインになります。
物忘れ
訪問し、声をかけると「今日もしんどい、死んだほうがまし。」とおっしゃいます。
「まだまだお迎えは来ませんよ、もう少し長生きしましょうね。」というと
「そうやな。」と笑います。これがいつもの挨拶になっています。
いつものように掃除をしていると、「ちょっと。」と呼ばれるので、行ってみると、
「買い物いってきてくれる?」「何買おうとおもったっけ?」と。
一緒に冷蔵庫をのぞいてみます。中には物がいっぱい、これ以上入りきらないほど。
それを見て、「あー今日は鍋にするんじゃった!!いっぱいあるからいいわ。」と
おっしゃいます。
しばらくすると、「買い物いってくれる?」とおっしゃいます。
同じ話を何回もする
「ちょっと、もう掃除はええがな。」とおっしゃいます。
そろそろ、お話タイムです。
ひととおり、掃除を終えて、残り10分くらいはいつもお話をする時間にしています。
記録を書きながら、Mさんの話に耳を傾けます。マシンガントークは続きます。
昔の仕事をしていた話、趣味の話。時々、相槌を入れながらMさんの話を聞きます。
「この話、したっけ?」と何回も聞きますが、初めて聞いたようにふるまうと、
嬉しそうに話しの続きをしてくれます。
話の区切りのいいところがなかなか見つからないことがあります。
「そろそろ・・・次のところへ・・・。」
「もうそんな時間?余計な話してごめんね。」と言いながらも、まだまだ話は続きそうです。
いつも後ろ髪をひかれる思いで「また、来週会いましょうね。」と帰ることになります。
話好きなMさんにとって、話を聞いてくれる人と話すことが何よりの生きがいなんだろうと
思います。
いつも一緒に暮らすご家族にとっては、同じことを何回も話されると、イライラしてつい
怒ってしまったり、ストレスを感じることと思います。
たとえ怒ってしまったとしても、自分を責めないでほしいです。
ネガティブな感情は伝染しがちです。
また同じこと言ってるわ、オチはここね。ぐらいの気持ちでスルー出来れば一番です。